航空従事者と技能証明の関係
航空法第22条は、航空業務を行おうとする人に対し、国土交通大臣が申請により航空従事者技能証明を行うと定めています。技能証明を受けた人を航空従事者と呼びます。航空機に乗り組んで操縦などを行う業務と、整備や改造をした航空機について確認する業務が対象です。技能証明は、技能証明書の交付で行われます。
航空法第24条が定める資格は、定期運送用操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士、准定期運送用操縦士、一等航空士、二等航空士、航空機関士、航空通信士、一等航空整備士、二等航空整備士、一等航空運航整備士、二等航空運航整備士、航空工場整備士の13種類です。運航管理者は運航管理者技能検定という別の制度で、ドローンの操縦は無人航空機操縦者技能証明という別の制度です。どちらもこの13資格には含まれません。
資格ごとにできる業務
航空法の別表は、資格ごとの業務範囲を定めています。主な内容をまとめると次のとおりです。
| 資格 | 主な業務範囲 |
|---|---|
| 定期運送用操縦士 | 航空運送事業で、構造上2人の操縦者を要する航空機の機長としての操縦など |
| 事業用操縦士 | 報酬を受けての操縦、航空機使用事業の操縦、航空運送事業の副操縦士としての操縦など |
| 自家用操縦士 | 報酬を受けずに、無償の運航を行う航空機を操縦すること |
| 准定期運送用操縦士 | 2人の操縦者を要する航空機を、機長以外の操縦者として操縦すること |
| 一等・二等航空士 | 航空機に乗り組んで位置と針路の測定、航法上の資料の算出を行うこと |
| 航空機関士 | 航空機に乗り組んで発動機と機体を取り扱うこと(操縦装置の操作を除く) |
| 航空通信士 | 航空機に乗り組んで無線設備を操作すること |
| 航空整備士・航空運航整備士 | 整備をした航空機について、航空法第19条第2項の確認を行うこと |
| 航空工場整備士 | 整備または改造をした航空機について、同じく確認を行うこと |
年齢と経歴の要件
航空法施行規則第43条は、資格ごとの最低年齢を定めています。自家用操縦士、二等航空士、航空通信士は17歳以上で、自家用操縦士のうち滑空機は16歳以上です。事業用操縦士、准定期運送用操縦士、一等航空士、航空機関士、一等・二等航空運航整備士、航空工場整備士は18歳以上です。二等航空整備士は19歳以上、一等航空整備士は20歳以上、定期運送用操縦士は21歳以上です。
年齢に加えて、施行規則の別表第二が定める経歴が必要です。操縦士は総飛行時間や野外飛行の時間、整備士は航空機の整備経験の年数が条件になります。例えば事業用操縦士の飛行機は総飛行時間200時間以上、二等航空整備士は6か月以上の該当機種の整備を含む3年以上の整備経験が必要です。航空通信士はこれに加えて、電波法の第一級・第二級総合無線通信士または航空無線通信士の免許が必要です。
学科試験と実地試験の流れ
技能証明を受けるには、学科試験と実地試験に合格します。学科試験に合格しないと実地試験は受けられません。学科試験の多くはCBT方式で、2026年度は年6回、各回10日程度の期間に全国約260会場で行われます。一等・二等航空士、航空機関士、航空工場整備士の一部の業務の種類などはCBTの対象外で、年2回、東京で行われます。
学科試験の国の手数料は5,600円です。CBTで受ける場合は、配信費用として1科目1,500円が加わります。実地試験の手数料は資格によって異なり、事業用操縦士の飛行機は56,500円、二等航空整備士は45,000円です。学科試験の合格の有効期間は原則2年で、一部の科目だけ合格した場合は1年以内の試験に限りその科目が免除されます。
乗務する資格に必要な航空身体検査証明
航空法第28条により、航空機に乗り組んで運航を行う人は、技能証明に加えて航空身体検査証明を持っていなければ業務を行えません。対象は操縦士、航空士、航空機関士、航空通信士です。定期運送用・事業用・准定期運送用操縦士は第一種の基準、それ以外の乗務する資格は第一種または第二種の基準が適用されます。整備士は航空機に乗り組む資格ではないため、施行規則の身体検査基準の表に挙げられていません。
2026年度の残りの学科試験日程
2026年10月3日時点で予定されているCBT方式の学科試験は次のとおりです。
| 試験期 | CBT会場予約 | 航空局への申請 | 試験期間 |
|---|---|---|---|
| 2026年11月期 | 9月29日〜10月22日 | 10月14日〜10月22日 | 11月5日〜11月14日 |
| 2027年1月期 | 2026年11月20日〜12月15日 | 12月8日〜12月15日 | 1月6日〜1月16日 |
| 2027年3月期 | 1月21日〜2月16日 | 2月8日〜2月16日 | 3月2日〜3月11日 |
どの資格から目指すかの考え方
当サイトの提案:最初に、操縦・乗務・整備のどの業務に就きたいかを決め、上の表で対応する資格を確認してください。次に、その資格の年齢要件と経歴要件を施行規則の別表第二で確認します。操縦士なら航空大学校や指定養成施設、整備士なら航空会社や整備会社での実務経験が経歴の積み方の中心になります。学科試験は申込みが2段階で、CBTの予約と航空局への申請の両方が必要なので、受験する試験期の締切を先に控えておくと手続きの漏れを防げます。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。