全国通訳案内士の位置づけ
通訳案内士法は、全国通訳案内士を、報酬を得て通訳案内を業とする者と定めています。通訳案内とは、外国人に付き添い、外国語を用いて旅行に関する案内をすることです。試験に合格すると全国通訳案内士となる資格を得て、都道府県に備えられた登録簿に登録を受けることで全国通訳案内士になります。
同法は、全国通訳案内士でない者が全国通訳案内士やこれに似た名称を使うことを禁じています。法律が制限しているのは名称の使用で、業務そのものを資格者だけに限る規定は置かれていません。資格は、国の試験に合格し登録を受けた案内者であることを示す名称だと理解しておくと、仕事の選び方を考えやすくなります。
試験の内容
試験は観光庁長官が行う国家試験で、通訳案内士法に基づき独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)が試験事務を代行しています。筆記試験はすべてマークシート方式で、科目は外国語、日本地理、日本歴史、産業・経済・政治及び文化に関する一般常識、通訳案内の実務の5つです。2026年度の試験時間は外国語90分、日本地理と日本歴史が各30分、一般常識と通訳案内の実務が各20分でした。
外国語は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10か国語から選びます。口述試験は筆記試験の合格者が受け、選んだ外国語で通訳案内の現場に必要な実践的なコミュニケーション能力を判定されます。英検やTOEICなどの外国語資格、旅行業務取扱管理者、前年度の科目合格などによる科目免除の制度があり、詳細は観光庁のガイドラインと施行要領に示されています。
2026年度の日程と手数料
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 願書受付 | 6月1日〜7月9日(終了) |
| 筆記試験 | 8月16日(実施済み) |
| 筆記試験の結果 | 9月25日 |
| 口述試験 | 11月29日 |
| 最終合格発表 | 2027年1月22日予定 |
筆記試験は札幌市、仙台市、東京近郊、名古屋市、大阪近郊、広島市、福岡市、沖縄県で行われました。口述試験は、英語・中国語・韓国語が東京近郊、大阪近郊、福岡市、そのほかの言語は東京近郊のみです。受験手数料は1か国語14,850円、2か国語29,700円で、免除科目があっても減額されません。出願は電子申請のみで、クレジットカード払いには事務手続手数料495円が加わります。
合格後の登録と研修
全国通訳案内士になるには、合格証書などを添えて都道府県知事に登録申請書を出します。登録後は、業務を行う前に案内を受ける人へ登録証を見せる義務があります。また、3年以上5年以内で国土交通省令が定める期間ごとに、観光庁長官の登録を受けた登録研修機関の研修を受けなければなりません。土産物店などに対して金品を求めることや、通訳案内を受けるよう強要することも法律で禁じられています。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:2027年度の試験を目指す場合は、例年春に公開される観光庁のガイドラインとJNTOの施行要領を最初に読み、持っている外国語資格や検定で免除になる科目を確認してください。そのうえで、免除されない科目について、JNTOが公開している過去の筆記試験問題で出題の形式を確かめると、準備の範囲を絞りやすくなります。JNTOの案内では、通訳案内の実務の試験範囲は観光庁研修テキストとされているため、最新版を入手しておきましょう。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。