高等学校教育職員免許状とは
この記事のタイトルにある高等学校教育職員免許状は、教育職員免許法に定められた高等学校の教員の免許状を指します。同法第3条は、教育職員は各相当の免許状を持つ者でなければならないと定めており、文部科学省も、教員免許状がなければ日本の学校で教壇に立ち授業を行うことはできないと説明しています。
免許状には普通免許状、特別免許状、臨時免許状の3種類があります。一般的に取得するのは普通免許状で、高等学校教諭の普通免許状は専修免許状と一種免許状の2区分です。小学校や中学校にある二種免許状は、高等学校にはありません。
教科ごとに授与される
高等学校の普通免許状は教科ごとに授与されます。教育職員免許法第4条には、国語、地理歴史、公民、数学、理科、音楽、美術、工芸、書道、保健体育、保健、看護、家庭、情報、農業、工業、商業、水産、福祉、商船、職業指導、外国語、宗教などの教科が挙げられています。地理歴史と公民は別の教科なので、両方を教えたい場合はそれぞれの免許状が必要です。
免許状を取得するまでの流れ
文部科学省のQ&Aによると、取得したい免許状に対応した教職課程のある大学などに入学し、法令で定められた科目と単位を修得して卒業した後、都道府県教育委員会に授与申請を行います。大学が卒業時に申請をまとめて行う場合もあります。
基礎資格は、専修免許状が修士の学位、一種免許状が学士の学位です。教育職員免許法の別表第一では、大学で修得する最低単位数を専修免許状83単位、一種免許状59単位としています。文部科学省は、一種免許状では教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目と合わせて、高等学校の場合67単位以上が必要と説明しています。
18歳未満の者、高等学校を卒業していない者、拘禁刑以上の刑に処せられた者などには免許状は授与されません。必要書類は授与を申請する都道府県教育委員会によって異なるため、各教育委員会の案内で確認します。
免許状の効力と更新制の解消
普通免許状は全ての都道府県で効力を持ちます。宗教の教科の免許状は、国立学校と公立学校では効力を持ちません。特別免許状は授与した都道府県でのみ効力を持ち、臨時免許状は授与から3年間、授与した都道府県でのみ有効です。
教員免許更新制は2022年7月1日に解消されました。同日以降に授与される免許状と、同日時点で有効だった免許状は、手続きなしで有効期限のないものになっています。2022年6月30日までに失効した免許状は自動では有効に戻らず、都道府県教育委員会に再授与の申請をすることで授与を受けられるのが基本です。
大学の単位修得以外の取得方法
文部科学省によると、大学で単位を修得する以外の方法の一つに教員資格認定試験があります。この試験は幼稚園教諭二種免許状、小学校教諭二種免許状、高等学校教諭一種免許状(情報)に限って行われており、高等学校では情報の教科だけが対象です。合格者は都道府県教育委員会に授与を申請して普通免許状を取得します。
令和8年度の高等学校(情報)教員資格認定試験は、第1次試験が2026年5月10日、第2次試験が9月6日に行われ、最終合格発表は9月25日でした。実施事務は独立行政法人教職員支援機構が担っています。令和8年度からは、技術士試験の情報工学部門または総合技術監理部門(情報工学)の合格者も受験資格に加わりました。次年度の日程は、文部科学省と教職員支援機構の発表を待って確認してください。
このほか、優れた知識や経験を持つ社会人を学校に迎えるための特別免許状があります。大学での単位修得は不要で、任命または雇用しようとする学校側の推薦に基づき、都道府県教育委員会の教育職員検定を経て授与されます。
教員として働くまで
免許状を持っていても、それだけで教員になれるわけではありません。公立学校では都道府県や政令指定都市の教育委員会が行う教員採用試験に合格して採用される必要があり、私立学校では学校法人などが行う採用試験に合格する必要があります。文部科学省のQ&Aでは、公立学校の採用試験は3〜4月に募集要項が出て、5〜8月に第1次・第2次試験、9〜10月に合格発表という日程の県市が多いと説明されていますが、実施時期や内容は県市によって異なります。旧記事の一次・二次試験の日程は、こうした採用試験と免許状の取得手続きが混同されていたため、この記事では分けて説明しています。
当サイトの提案:これから大学を選ぶ人は、教えたい教科の高等学校一種免許状を取れる教職課程があるかを、文部科学省の教職課程のある大学一覧で先に確認してください。在学中は、卒業に必要な単位とは別に教職課程の単位計画を立て、教育実習の時期を把握しておきます。卒業後に働きたい自治体が決まっている場合は、その教育委員会の採用試験の募集要項を早めに読み、出願時期と免許状の取得見込みの扱いを確かめておくと準備の順序を決めやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。