この記事が指す免許状の範囲
記事タイトルは「特別支援学校教員免許状『音楽』」ですが、教育職員免許法には、音楽という教科を指定した特別支援学校の免許状はありません。同法第4条の2は、特別支援学校の教員の普通免許状を「特別支援教育領域」ごとに授与すると定めています。特別支援教育領域とは、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者(身体虚弱者を含む)に関するいずれかの教育の領域です。
一方、教科ごとに授与されるのは中学校と高等学校の免許状で、音楽はどちらにも教科として含まれています。そのため、特別支援学校で音楽の授業を受け持つことを考える場合は、教科の免許状と特別支援学校の免許状の2つを分けて理解する必要があります。
特別支援学校で音楽を教えるときに必要な免許状
教育職員免許法第3条第3項は、特別支援学校の教員について、特別支援学校の教員の免許状に加えて、特別支援学校の各部に相当する学校の教員の免許状を持つことを求めています。中学部で音楽を教えるなら中学校教諭の音楽の免許状、高等部なら高等学校教諭の音楽の免許状が、各部に相当する免許状に当たります。
ただし同法の附則第15項には、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教諭の免許状を持つ人は、当分の間、特別支援学校の相当する各部の教諭や講師になれるという特例があります。特別支援学校の免許状がなくても勤務できる場合があるのはこのためですが、附則に置かれた当分の間の措置です。また同法第16条の5では、中学校や高等学校の免許状を持つ人が、免許状の教科に相当する教科を特別支援学校の小学部で担任する場合、特別支援学校の教員の免許状も必要だと定めています。
特別支援学校教諭の免許状を取る方法
文部科学省のQ&Aでは、特別支援学校教諭の免許状を取るには、基礎となる免許状(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)を取得し、特別支援教育に関する必要単位を修得して卒業したうえで、都道府県教育委員会に授与申請するとしています。教育職員免許法別表第一が定める要件は次のとおりです。
| 区分 | 基礎資格 | 特別支援教育に関する科目の最低単位数 |
|---|---|---|
| 専修免許状 | 修士の学位と、幼・小・中・高いずれかの教諭の普通免許状 | 50単位 |
| 一種免許状 | 学士の学位と、幼・小・中・高いずれかの教諭の普通免許状 | 26単位 |
| 二種免許状 | 幼・小・中・高いずれかの教諭の普通免許状 | 16単位 |
どの教育領域が免許状に記載されるかは、修得した科目に応じて授与権者が定めます。取得後に別の領域の科目を修得すれば、領域を追加することもできます。特別支援学校の免許状を取れる大学は、文部科学省の「教員免許状を取得できる大学」のページに一覧があります。
現職教員が取得する方法
すでに教員として働いている人は、在職年数と単位の組み合わせで上位の免許状を取る道があります。教育職員免許法別表第七では、幼・小・中・高いずれかの教諭の普通免許状を持ち、3年以上良好な成績で勤務した人は、大学で6単位を修得して特別支援学校教諭の二種免許状を受けられると定めています。二種から一種へは、特別支援学校の教員として3年以上の在職と6単位、一種から専修へは3年以上の在職と15単位です。
必要な単位は、大学の教職課程によらず、免許法認定講習・公開講座・通信教育で修得することもできます。文部科学省は令和8年度の開設状況を一覧で公開しています。
免許状の効力と当サイトの提案
普通免許状はすべての都道府県で効力を持ちます。文部科学省のQ&Aによると、2022年7月1日以降に授与される免許状には有効期限がありません。免許状とは別に、公立学校で働くには教育委員会の採用試験などに合格する必要があります。
当サイトの提案:大学で音楽を学びながら特別支援学校を目指す場合は、まず中学校か高等学校の音楽の教職課程と、特別支援学校教諭の課程を同じ大学で併せて履修できるかを大学一覧で確かめてください。すでに音楽の免許状を持って働いている方は、勤務する都道府県の教育委員会に別表第七の在職年数の数え方を確認し、文部科学省の一覧から通える認定講習を選んで6単位の計画を立てると進めやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。