10メートルを境に必要な資格が分かれる
労働安全衛生法施行令第20条第15号は、作業床の高さが10メートル以上の高所作業車の運転を就業制限業務としています。この業務に就けるのは、労働安全衛生規則別表第三により、高所作業車運転技能講習を修了した人と、その他厚生労働大臣が定める人です。
作業床の高さが10メートル未満の高所作業車の運転は、労働安全衛生規則第36条第10号の5で特別教育の対象業務とされています。どちらの場合も、道路上を走行させる運転は対象から外れます。公道を走るときは、車両に合った運転免許が別に必要です。
作業床の高さは、施行令で「作業床を最も高く上昇させた場合におけるその床面の高さ」と定義されています。現場で実際に上げる高さで判断するものではないため、機械の仕様で最大の作業床高さを確認する必要があります。
高所作業車運転技能講習の内容
高所作業車運転技能講習規程が定める講習科目と時間は次のとおりです。
| 区分 | 講習科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 作業に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 5時間 |
| 学科 | 原動機に関する知識 | 3時間 |
| 学科 | 運転に必要な一般的事項に関する知識(力学、感電による危険性) | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 作業のための装置の操作(作業床の昇降等) | 6時間 |
学科講習はおおむね100人以内、実技講習は10人以内を1単位として行います。講習の最後に修了試験があり、学科試験は筆記または口述、実技試験は実技講習の科目について行われます。受講料と日程は登録教習機関ごとに異なります。
科目の一部免除
同じ規程の第3条により、次の人は一部の科目の受講が免除されます。移動式クレーン運転士免許を受けた人、または小型移動式クレーン運転技能講習を修了した人は、原動機に関する知識と運転に必要な一般的事項に関する知識が免除されます。
建設機械施工管理技術検定の合格者、大型・中型・準中型・普通・大型特殊自動車の運転免許や第二種免許を持つ人、フォークリフト運転技能講習や車両系建設機械運転技能講習などを修了した人は、原動機に関する知識が免除されます。免除の対象になるかどうかは、申込先の登録教習機関に免許証や修了証を示して確認してください。
特別教育の内容と機械の検査
10メートル未満の高所作業車に対する特別教育は、安全衛生特別教育規程第13条で決まっています。学科は、作業に関する装置の構造と取扱い3時間、原動機に関する知識1時間、運転に必要な一般的事項1時間、関係法令1時間で、実技は作業のための装置の操作3時間です。いずれも最低時間で、事業者が自ら行うか、外部の団体に実施を依頼します。
運転者の資格とは別に、機械の側にも決まりがあります。施行令第13条第3項第34号は作業床の高さが2メートル以上の高所作業車を、厚生労働大臣が定める規格を具備すべき機械等に挙げています。また施行令第15条では、この高所作業車が定期自主検査の対象で、さらに特定自主検査の対象にもなっています。運転する人も、使う機械の定期自主検査の記録を確認しておくと安心です。
受講先を選ぶ前の確認
当サイトの提案:まず職場で使う高所作業車の最大作業床高さを仕様書や銘板で確認し、10メートル以上の機種があれば技能講習を選びます。10メートル未満の機種しか使わない場合でも、将来10メートル以上の機種を扱う予定があるなら、最初から技能講習を検討する価値があります。次に、手持ちの運転免許や修了証で受けられる科目免除を登録教習機関に伝え、自分に合うコースの日数と受講料を比べてください。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。