教育担当者が置かれるようになった経緯
防火管理制度は、建物の関係者が自ら防火管理業務を行うことを基本に昭和36年に始まりました。東京消防庁によると、ビル管理の合理化や省人化で業務の一部を外部へ委託する例が増えたため、昭和58年に消防法施行規則が改正され、委託する場合は消防計画に必要事項を定めて消防署へ届け出ることになりました。あわせて国の通知(昭和58年消防予第227号)により、消防機関は受託者の教育担当者を把握し、その知識や技能を身につけさせる措置を講じることとされました。
この措置として始まったのが教育担当者講習です。昭和59年の通知で科目や時間が定められ、平成21年には防災管理業務の一部委託についても同様の通知が出ました。令和5年には、教育担当者講習の内容が甲種防火管理講習や防災管理講習と同じであることを理由に、講習内容を定めた2つの通知が廃止されています。教育担当者による従業員教育という仕組みそのものを定めた昭和58年の通知は廃止されていません。
東京消防庁管内での扱い
東京消防庁は平成22年度以降、教育担当者講習を行っていません。自衛消防業務講習と防火管理技能講習の修了者を教育担当者講習の修了者と同等とみなしており、過去の教育担当者講習の修了者も引き続き有効です。令和5年からは甲種防火管理講習と防災管理講習の修了者も同等に扱っています。
ただし、東京消防庁の甲種防火管理講習と防災管理講習は、防火・防災管理者として選任予定の人だけが受講できます。このため同庁は、教育担当者になるには自衛消防業務講習か防火管理技能講習のいずれかを受講するよう案内しています。
ほかの地域の運用例
広島市では、火災予防条例第54条の2が、防火管理業務等の一部を受託する警備会社やビルメンテナンス会社などに教育の担当者を定めて従業員教育をさせるよう規定しています。平成30年4月からは、消防機関等が行う教育担当者向け講習会の修了者のほか、甲種防火管理者や防災管理者、統括管理者の資格を持つ人も教育の担当者にできるようになりました。講習修了を資格とする場合は、修了日以後最初の4月1日から5年以内ごとに再講習が必要です。
千歳市では、教育担当者は営業所ごとに必要で、選任・解任の届出書に甲種防火管理講習または防災管理講習の修了証の写しを添えて消防本部に提出します。京都市消防局は、受託法人等の教育担当者講習要綱を令和6年4月1日に廃止しています。愛知県内の法人に勤める人向けには、日本消防設備安全センター名古屋事務所が2日間の本講習と効果測定を行う防火・防災管理教育担当者講習を案内しており、修了証は5年以内に再講習を受けないと効力を失うとしています。同事務所のページに載っている案内は令和5年度のもので、現在の日程と受講料は確認できていません。
担当者を決める前に確かめること
当サイトの提案:この役割は全国一律の資格ではないため、まず受託先の建物を管轄する消防本部に、教育担当者として認められる講習や資格、届出の方法を問い合わせてください。営業所が複数の市にまたがる会社は、市ごとに扱いが異なる可能性があります。すでに甲種防火管理講習や自衛消防業務講習の修了者が社内にいる場合は、その修了証で足りるかを先に確認すると、新たな受講が必要かどうかを判断できます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。