機械集材装置と対象業務
労働安全衛生規則第36条第7号は、機械集材装置を「集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、動力を用いて、原木又は薪炭材を巻き上げ、かつ、空中において運搬する設備」と定義し、その運転の業務を特別教育の対象としています。事業者は、この業務に労働者を就かせる前に、労働安全衛生法第59条第3項に基づく特別教育を行います。
原木等の一部を地面に接したまま運搬する簡易架線集材装置や、自走式の架線集材機械は第7号の2、走行集材機械は第6号の3、伐木等機械は第6号の2と、別の号に分かれています。機械集材装置の教育を修了しても、これらの機械を運転するための教育を受けたことにはなりません。
機械集材装置の運転に関する特別教育は、安全衛生特別教育規程第9条に定められています。平成26年12月1日から適用された告示改正(平成25年厚生労働省告示第363号)で追加されたのは、伐木等機械・走行集材機械・簡易架線集材装置等の教育で、機械集材装置の教育はそれ以前から規定されています。
教育の科目と時間
安全衛生特別教育規程第9条が定める内容です。時間は最低時間です。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 機械集材装置に関する知識(集材機の種類・構造・取扱い、索張り方式、集材方法) | 3時間 |
| 学科 | ワイヤロープに関する知識(種類、止め方及び継ぎ方の種類) | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 集材機の運転(基本操作、応用運転) | 4時間 |
| 実技 | ワイヤロープの取扱い(止め方、継ぎ方及び点検方法) | 4時間 |
東京労働局の一覧でも、機械集材装置の運転の業務は学科6・実技8として掲載されています。
作業主任者・作業計画など関連する規定
労働安全衛生法施行令第6条第3号は、原動機の定格出力が7.5キロワットを超えるもの、支間の斜距離の合計が350メートル以上のもの、最大使用荷重が200キログラム以上のもののいずれかに当たる機械集材装置について、組立て・解体・変更・修理や集材の作業を作業主任者の選任が必要な作業としています。労働安全衛生規則第151条の126により、事業者は林業架線作業主任者免許を受けた者の中から作業主任者を選任します。この免許は特別教育とは別の国家試験による免許です。
第151条の125は、林業架線作業を行うときに作業計画を定めることを求めています。計画には支柱と主要機器の配置場所、ワイヤロープの種類と直径、中央垂下比、最大使用荷重と搬器ごとの最大積載荷重、集材機の種類と最大けん引力、作業の方法、災害時の応急措置と搬送方法を示します。
年少者労働基準規則第8条第27号は、機械集材装置・運材索道等を用いて行う木材の搬出の業務を、満18歳に満たない者を就かせてはならない業務としています。
受講方法と事業者の義務
教育は事業者が自ら行うか、林業関係の安全衛生団体などに委託します。受講料と日程は実施機関ごとに異なります。事業者は受講者・科目等の記録を3年間保存します(労働安全衛生規則第38条)。労働安全衛生法第59条第3項に違反した場合、第119条により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。
外部に委託した教育でも、内容の確認は事業者の責任です。山口労働局は、ある実施者が発行した特別教育修了証が教育時間の不足等により無効であると公表し、その修了証で労働者を業務に就かせていた事業者に改めて特別教育を行うよう求めました。同局は、委託する場合には法令に定められた教育科目・範囲・時間どおりに実施されたかを事業者が確認する必要がある、と示しています。
受講前に確認したいこと
当サイトの提案:まず、使う設備が空中で運搬する機械集材装置か、地面に接したまま運ぶ簡易架線集材装置かを確認し、受ける教育の号を決めます。次に、装置の定格出力・支間の斜距離・最大使用荷重を調べ、林業架線作業主任者の選任が必要な規模かどうかを判断します。18歳未満の従事者がいないかも、配置前に確認しておきましょう。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。