車両系木材伐出機械とは
労働安全衛生規則第151条の84は、車両系木材伐出機械を「伐木等機械、走行集材機械及び架線集材機械」と定義しています。架線集材機械を機械集材装置や簡易架線集材装置の集材機として使っている場合は除かれます。
第36条の定義によると、伐木等機械は伐木・造材・原木等の集積を行う自走式の機械、走行集材機械は車両の走行により集材する自走式の機械、架線集材機械は原木等を巻き上げて運搬する自走式の機械です。いずれも動力を用い、不特定の場所に自走できるものが対象です。「車両系木材伐出機械等運転者」という単一の資格はなく、機械の種類ごとの特別教育を修了した人を指す呼び方として使われています。
機械ごとに必要な特別教育
特別教育が必要な業務は、労働安全衛生規則第36条の第6号の2(伐木等機械)、第6号の3(走行集材機械)、第7号の2(簡易架線集材装置または架線集材機械)に分かれています。いずれも道路上を走行させる運転は除かれます。時間数は安全衛生特別教育規程で定められ、表の値は最低時間です。
| 対象 | 根拠 | 学科 | 実技 |
|---|---|---|---|
| 伐木等機械 | 規程第8条の2 | 6時間 | 6時間(走行の操作2・作業装置の操作4) |
| 走行集材機械 | 規程第8条の3 | 6時間 | 6時間(走行の操作3・原木の運搬3) |
| 簡易架線集材装置・架線集材機械 | 規程第9条の2 | 6時間 | 8時間(走行の操作1・集材機の運転等3・ワイヤロープの取扱い4) |
学科は、機械の種類と用途、走行・作業装置の構造と取扱い、一般的な作業方法、運転に必要な力学と電気の基礎知識、関係法令で構成されます。走行集材機械と架線集材機械では、ワイヤロープの種類や取扱いも学びます。これらの教育は平成25年厚生労働省告示第363号で追加され、平成26年12月1日から適用されています。
1つの教育を修了しても、別の号の機械を運転できるわけではありません。複数の機械を扱う場合は、それぞれの教育が必要かを確認します。
作業時に事業者が守る主な規則
第151条の88により、事業者はあらかじめ作業場所の地形・地盤の状態や、伐倒する立木・原木等の形状を調査して記録します。第151条の89は、その結果に適応する作業計画を定め、計画どおりに作業させることを求めています。計画には、機械の種類と能力、運行経路、作業の方法と場所、労働災害が発生した場合の応急措置と傷病者の搬送方法を示し、運行経路以下の事項を関係労働者に周知します。
第151条の92は、運行経路の幅員の保持、路肩の崩壊防止、障害物の除去を求め、路肩や傾斜地で転倒・転落のおそれがあるときは誘導者を配置して誘導させることを定めています。運転者はその誘導に従わなければなりません。このほか、制限速度の設定(第151条の91)なども定められています。
受講方法と事業者の義務
教育は事業者が行うか、林業関係の安全衛生団体などに委託します。東京労働局の一覧では、伐木等機械と走行集材機械が学科6・実技6、簡易架線集材装置・架線集材機械が学科6・実技8として掲載されています。全国統一の受講料や日程はなく、実施機関の案内で確認します。
事業者は特別教育の記録を3年間保存します(第38条)。労働安全衛生法第59条第3項に違反した場合、第119条により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。
外部に委託した教育でも、内容の確認は事業者の責任です。山口労働局は、ある実施者が発行した特別教育修了証が教育時間の不足等により無効であると公表し、その修了証で労働者を業務に就かせていた事業者に改めて特別教育を行うよう求めました。同局は、委託する場合には法令に定められた教育科目・範囲・時間どおりに実施されたかを事業者が確認する必要がある、と示しています。
受講前に確認したいこと
当サイトの提案:まず、現場で使う機械が伐木等機械・走行集材機械・架線集材機械のどれに当たるかを、機種ごとに整理します。次に、講習が該当する号の教育であること、実技の時間と内容が規程を満たしていることを案内で確認します。修了後は、作業計画の様式に運行経路と応急措置の欄を設け、誘導者の配置基準もあわせて社内で決めておくと、規則に沿った運用につながります。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。