日本学生相談学会と2つの認定資格
一般社団法人日本学生相談学会は、大学などの学生相談に関わる人が研究と研修を行う学術団体です。学会は資格認定制度を設けており、学生相談機関で働くカウンセラー向けの「大学カウンセラー」と、学生支援に携わる教職員向けの「学生支援士」を認定しています。どちらも学会独自の民間資格です。
大学カウンセラーの認定制度は2001年度に始まりました。学会の「学生相談機関ガイドライン」では、学生相談に従事するカウンセラーは大学カウンセラー資格を持っていることが望ましいとされています。学生支援士の認定制度は2012年度に始まり、大学カウンセラーと連携して学生を支える教職員の援助技能を高めることを目的としています。
入会できる人と会費
資格の申請には正会員であることが必要です。正会員になれるのは、大学、短大、高専、専修学校専門課程などに勤める教職員で、学生の相談に関わっている人です。それ以外の人は、理事会がこれに準ずると認めた場合に限られます。入会には正会員2名の推薦を添えて申し込み、理事会の承認を受けます。推薦者が見つからない場合の手続きも入会案内に書かれています。
2026年度から会費が改定され、正会員の年会費は10,000円、入会費は5,000円です。
大学カウンセラーの主な要件
学会のページでは、新規申請の要件として次の項目を挙げています。
- 正会員として1年以上経過していること
- 学士以上の学位があること
- 相談業務の基礎的な職能が学会の水準に達していること(臨床心理士は達しているとみなされる)
- 申請時に学生相談機関のカウンセラーとして勤務し、継続して3年以上、援助経験時間30時間以上があること
- 過去5年間に機関誌「学生相談研究」での発表1点以上、紀要などでの発表2点以上、または論文指導を受けた研究レポートのいずれか
- 過去5年間に学会大会での発表や学会行事での講師などの経験が1回以上あること
- 過去5年間に「大学教育と学生相談」領域を含む3領域以上の研修を合計30時間以上修めていること、または個別スーパービジョン5回以上と研修20時間以上
これに加えて、2,000字以上の活動実践レポートを提出し、書類審査と面接試験を受けます。新規申請者の面接試験は2月に行われ、提出書類や勤務経験について質疑があります。
申請期間と費用、更新
学会は毎年7月1日に、その年度の申請の手引きと申請書類一式を会員専用サイトで公開します。新規申請と更新申請の受付は毎年10月1日から31日までで、2026年度の受付期間はちょうど今の時期に当たります。
細則では、大学カウンセラーの認定審査料を15,000円、合格後の登録料を15,000円と定めています。更新と再取得の場合はどちらも10,000円です。資格の有効期間は5年で、更新には所定の研修時間や活動実績、研究業績が必要です。
学生支援士の取得の流れ
学生支援士は、援助技能、学生個人のアセスメント、大学カウンセラーとの連携、大学環境のアセスメント、大学コミュニティへの働きかけという5つの力を求める資格です。取得方法には標準コースと同時申請コースがあり、学会は標準コースを推奨しています。標準コースでは、7月に全国学生相談研修会の指定研修を申し込み、10月に一次申請をし、研修を修了したうえで翌年度以降の10月に二次申請をし、面接試験を受けます。
申請前に確認したいこと
学会の大会や研修会の予定は公式サイトに載っています。2026年10月3日時点では、第64回全国学生相談研修会の講義が11月6日にオンラインで、分科会が11月20日と21日に東京で予定され、第45回大会は2027年5月29日から31日に札幌で開かれる予定です。
当サイトの提案:まず自分の勤務先と職務が正会員の条件に当てはまるかを入会案内で確認してください。大学カウンセラーを目指す場合は、勤務年数、研究発表、学会での発表経験、研修時間の4つを過去5年分の記録として一覧にし、足りない項目を洗い出します。学会での発表や研修は年に数回しか機会がないため、申請予定の年度から逆算して大会や研修会の申込時期を決めておくと準備が進めやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。