この名称が指す教育
「酸素欠乏・硫化水素危険作業者」という免許はありません。酸素欠乏症等防止規則第12条第2項は、第二種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるとき、事業者が特別の教育を行うよう定めています。この記事では、その教育を修了した人をこの名称で呼んでいます。労働安全衛生法第59条第3項に基づく特別教育なので、国の試験や合格率はありません。
第二種の対象になる場所
酸素欠乏症等防止規則第2条は、酸素欠乏危険場所のうち労働安全衛生法施行令別表第六の第3号の3、第9号、第12号の場所での作業を第二種酸素欠乏危険作業としています。各号の内容は次のとおりです。
| 別表第六 | 場所の内容 |
|---|---|
| 第3号の3 | 海水が滞留している、または滞留したことのある熱交換器、管、暗きょ、マンホール、溝、ピットなどの内部。海水を相当期間入れていた熱交換器等も含みます |
| 第9号 | し尿、腐泥、汚水、パルプ液など腐敗・分解しやすい物を入れてある、または入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きょ、マンホール、溝、ピットの内部 |
| 第12号 | 前各号のほか厚生労働大臣が定める場所。第二種に当たるのは、酸素欠乏症と硫化水素中毒の両方のおそれがある場所として大臣が定めたものに限られます |
同条は硫化水素中毒を、硫化水素濃度が100万分の10を超える空気を吸うことで生じる状態と定義しています。汚水が流れる管やマンホール、し尿の槽、パルプ液の槽などに入る作業では、酸素だけでなく硫化水素にも注意が必要です。
特別教育の科目と時間
酸素欠乏危険作業特別教育規程第2条は、第二種の特別教育を学科教育で行うと定めています。
| 科目 | 主な範囲 | 時間 |
|---|---|---|
| 酸素欠乏等の発生の原因 | 発生の原因、発生しやすい場所 | 1時間 |
| 酸素欠乏症等の症状 | 酸素欠乏等による危険性、主な症状 | 1時間 |
| 空気呼吸器等の使用の方法 | 空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスク・換気装置の使用と保守点検 | 1時間 |
| 事故の場合の退避及び救急そ生の方法 | 救出用器具の使用、人工呼吸、人工そ生器の使用 | 1時間 |
| その他必要な事項 | 関係法令と、当該業務で酸素欠乏症等を防ぐために必要な事項 | 1時間30分 |
合計は5時間30分です。第一種の教育は4時間で、第二種のほうが原因・症状の科目と関係法令の時間が長く設定されています。東京労働局の一覧でも、第2種酸素欠乏危険作業に係る業務は学科5.5時間・実技0時間です。
現場で事業者が行うこと
酸素欠乏症等防止規則第3条は、第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場について、その日の作業を始める前に空気中の酸素と硫化水素の濃度を測ることを事業者に求めています。測定日時、方法、箇所、結果、測定者の氏名などは記録して3年間保存します。教育を受けた作業者は、測定の結果を確認してから入る、空気呼吸器等を指示どおり使うといった行動を教育の中で学びます。
同規則第5条は、第二種の場所で酸素濃度を18パーセント以上、かつ硫化水素濃度を100万分の10以下に保つよう換気することを求めています。作業を指揮する作業主任者は、第11条により酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選ばれます。特別教育を修了した作業者が、そのまま作業主任者を務めることはできません。
受講前の確認
当サイトの提案:勤務先に、担当する槽やマンホールに過去何が入っていたかを確認してください。汚水や海水の滞留歴があれば第二種の教育を選びます。外部講習を使う場合は、講習名に第二種または硫化水素の表記があるか、5時間30分の時間が確保されているかを案内で確かめてください。現場で作業を指揮する立場になる予定があるなら、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を受ける計画も早めに立てておくと、配置換えのたびに受講を急がずに済みます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。