この名称が指す教育
「特定粉じん作業者」という免許や国家試験はありません。粉じん障害防止規則第22条は、常時特定粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるとき、事業者が特別の教育を行うよう定めています。この記事では、その教育を修了した人をこの名称で呼んでいます。労働安全衛生法第59条第3項に基づく特別教育で、教育を行う義務は事業者にあります。
特定粉じん作業の範囲
同規則第2条は、別表第一に掲げる作業を粉じん作業とし、そのうち粉じん発生源が別表第二の特定粉じん発生源であるものを特定粉じん作業と定義しています。別表第二は15の箇所を挙げており、例えば次のようなものです。
- 坑内で鉱物等を動力により掘削する箇所
- 鉱物等を動力により破砕、粉砕、ふるい分けする箇所(手持式動力工具によるものを除く)
- 鉱物等をずり積機などの車両系建設機械で積み込み、積み卸す箇所
- 屋内で研磨材の吹き付けにより研磨し、岩石や鉱物を彫る箇所
- 屋内で研磨材を用いて動力で岩石、鉱物、金属を研磨・ばり取りし、金属を裁断する箇所(手持式または可搬式動力工具によるものを除く)
- 屋内でセメントやフライアッシュ、粉状の鉱石などを袋詰めする箇所
- 屋内で型ばらし装置を用いて砂型を壊し、砂落としをする箇所など
- 屋内で手持式溶射機を用いないで金属を溶射する箇所
手持式や可搬式の動力工具による作業は多くの号で除かれています。金属の溶断やアークを用いたガウジングは別表第一の粉じん作業に挙がっていますが、別表第二の特定粉じん発生源には含まれていません。グラインダを手に持って行う研磨も、別表第二の対象から外れています。自分の作業がどの号に当たるかは、工具の種類と屋内か屋外かで確認します。
特別教育の科目と時間
粉じん作業特別教育規程は、科目ごとの範囲と時間を次のように定めています。
| 科目 | 主な範囲 | 時間 |
|---|---|---|
| 粉じんの発散防止及び作業場の換気の方法 | 発散防止対策と換気の種類・概要 | 1時間 |
| 作業場の管理 | 発散防止設備と換気設備の保守点検、作業環境の点検、清掃の方法 | 1時間 |
| 呼吸用保護具の使用の方法 | 呼吸用保護具の種類、性能、使用方法、管理 | 30分 |
| 粉じんに係る疾病及び健康管理 | 粉じんの有害性、疾病の病理と症状、健康管理の方法 | 1時間 |
| 関係法令 | 労働安全衛生法令、粉じん障害防止規則、じん肺法と同法施行規則の関係条項 | 1時間 |
合計は4時間30分で、実技の時間はありません。東京労働局の一覧でも、特定粉じん作業に係る業務は学科4.5時間・実技0時間とされています。
記録と科目の省略
事業者は労働安全衛生規則第38条により、受講者や科目などの記録を作成して3年間保存します。同規則第37条は、科目の全部または一部について十分な知識と技能があると認められる労働者には、その科目を省略できると定めています。前の勤務先で同じ教育を受けた人が転職した場合、省略するかどうかは新しい事業者が判断します。教育の対象は、第22条の文言どおり、常時特定粉じん作業に係る業務に就く労働者です。
受講前の確認
当サイトの提案:担当する作業について、使う工具が手持式か据置式か、作業場所が屋内か坑内かを勤務先と一緒に別表第二と照らし合わせてください。特定粉じん作業に当たらない粉じん作業でも、呼吸用保護具の使用など別の措置は必要になります。外部講習を使う場合は、関係法令の科目にじん肺法が含まれているか、修了の書面に科目と時間が記載されるかを案内で確かめておくと、記録の保存にも使いやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。