防火設備検査員とは
日本建築防災協会の案内によると、福山市のホテル火災などで被害が広がった原因の一つに、建築物が適法な状態で管理されていなかったことが挙げられ、建築基準法が改正されました。平成28年6月1日からは、国や特定行政庁が指定した建築物について、感知器と連動して動く防火扉や防火シャッターなどの防火設備を所有者等が定期に検査させ、その結果を特定行政庁に報告することが義務づけられています。
検査を行えるのは、一級建築士、二級建築士、防火設備検査員です。防火設備検査員資格者証は国家資格で、国土交通大臣の登録を受けた講習を修了した人が地方整備局長等に申請して交付を受けます。国土交通省の案内では、建築士は資格者証を申請しなくても検査を行えますが、建築士事務所の登録が必要です。
学科講習と実技講習の流れ
講習は学科講習と実技講習に分かれています。学科講習の最後に修了考査があり、合格した人だけが実技講習を受けられます。実技講習まで修了した人に講習修了証明書が交付され、その交付日から3か月以内に、住んでいる都道府県を管轄する地方整備局長等へ資格者証の交付を申請します。3か月を過ぎた申請は受け付けられません。令和7年度の学科講習では、修了考査の22問中17問以上の正解が合格基準でした。
特定建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員、建築設備士の資格者は、申請すれば学科講習1日目の建築学概論を免除できます。ただし修了考査では全問題に解答する必要があります。
受講資格
協会の受講資格一覧表では、次のいずれかに当たる人が受講できます。
- 建築学、機械工学、電気工学に相当する課程を修めた人で、大学卒業後2年以上、3年制短期大学卒業後3年以上、2年制短期大学か高等専門学校の卒業後4年以上、高等学校か中等教育学校の卒業後7年以上の防火設備に関する実務経験がある人
- 防火設備に関して11年以上の実務経験がある人
- 特定行政庁の職員で、防火設備に関する建築行政の実務経験が2年以上ある人
- 消防吏員として火災予防業務に関する5年以上の実務経験がある人
- 感知器に関して、消防設備点検資格者、または甲種か乙種の消防設備士(第1類〜第4類と特類)として免状取得後5年以上の実務経験がある人
- 専修学校や職業能力開発大学校などの相当する課程を修了し、防火設備に関する一定の実務経験がある人
令和8年度の日程と受講料
学科講習の受講料は34,650円(税込)です。講義は録画をWEBで視聴する方法と会場で視聴する方法から選べ、内容は同じです。WEB受講の視聴期間は10月6日から20日まで、会場受講は10月27日と28日の2日間です。修了考査はどちらの方法でも10月28日に会場で行われ、開催地は東京(TOC有明)、大阪(天満研修センター)、福岡(天神ビル、WEB受講者の考査のみ)です。学科講習の申込受付は4月15日から7月10日までで、すでに終了しています。
修了考査の結果と実技講習の案内は12月中旬に届く予定です。実技講習は3時間で、令和9年1月下旬から2月下旬に東京、大阪、福岡で開催予定です。実技講習の受講料28,600円(税込)は実技講習の申込時に支払います。
受講を考える人へ
当サイトの提案:最初に、一級建築士か二級建築士の免許を持っているかを確認してください。建築士であれば資格者証がなくても検査できるため、講習が必要かを勤務先と話し合います。建築士でない人は、受講資格一覧表で自分の学歴と防火設備の実務年数、または消防設備士などの免状取得後の年数がどの区分に当たるかを確かめます。学科と実技を合わせると、申込から修了証明書の受領まで半年以上かかります。令和8年度の申込は終わっているので、翌年度の受講案内が春に公開されたら、実技講習の時期まで含めて予定を組むと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。