技術士航空・宇宙部門とは
技術士は技術士法に基づく国家資格です。技術士法第2条は、技術士を、登録を受けて技術士の名称を用い、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項について計画、研究、設計、分析、試験、評価やその指導の業務を行う者と定めています。第57条により、技術士でない者が技術士やこれに類似する名称を使うことは禁じられています。業務そのものを独占する資格ではなく、名称の使用が制限される資格です。
第二次試験は機械部門から総合技術監理部門まで21の技術部門ごとに行われ、航空・宇宙部門はその一つです。日本技術士会が公開している科目表では、航空・宇宙部門の選択科目は「航空宇宙システム」の1科目で、次の事項が範囲とされています。
- 航空機と宇宙機(ロケット、人工衛星、宇宙ステーション等)の空気力学、構造力学、制御工学、推進工学と、これらに関連する試験・計測技術(装備を含む)
- 航空機と宇宙機の信頼性、安全性
- 空港、管制、射場、追跡施設など、航空機・宇宙機の航行援助施設
第二次試験の受験資格
第二次試験を受けるには、まず技術士補となる資格が必要です。これは第一次試験の合格、または文部科学大臣が指定した教育課程の修了で得られます。そのうえで、次のいずれかの期間を超える経験が求められます。
| 経路 | 総合技術監理部門を除く技術部門の必要期間 |
|---|---|
| 技術士補として技術士を補助した期間 | 通算4年 |
| 7年を超える業務経験を持つ監督者の下で業務に従事した期間(技術士補となる資格を得た後) | 通算4年 |
| 科学技術の計画・研究・設計・分析・試験・評価やその指導の業務に従事した期間 | 通算7年 |
理科系統の大学院修士課程や専門職学位課程を修了した人、博士課程に在学したことがある人は、2年を限度として在学期間をこれらの期間から差し引けます。
令和8年度の第二次試験
令和8年度の第二次試験は、受験申込の受付が4月1日から4月15日まで(WEBは4月14日17時まで)で、すでに締め切られています。総合技術監理部門以外の技術部門の筆記試験は7月20日に、北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県など12都道府県で行われました。筆記試験の合否は11月に通知され、口頭試験は12月から令和9年1月までの間に東京都で実施されます。最終合格者は令和9年3月に官報で公告され、本人に合格証が送られます。受験手数料は20,500円です。
試験実施大綱によると、総合技術監理部門以外の技術部門では、筆記試験の必須科目(技術部門全般の専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力)を2時間、選択科目(専門知識と応用能力、問題解決能力と課題遂行能力)を3時間30分で、いずれも記述式で解答します。口頭試験は筆記試験の合格者だけが受け、技術士としての実務能力と取組姿勢を20分で試問されます。文部科学省の令和8年度合否決定基準では、筆記の必須科目と選択科目、口頭試験の各試問事項(マネジメント・評価、コミュニケーション・リーダーシップ、技術者倫理、継続研さん)が、それぞれ60%以上の得点で合格です。
これから第一次試験を受ける場合
令和8年度の第一次試験は11月22日(日)に全国17都道府県で行われます。受験資格に年齢・学歴・業務経歴の制限はなく、受験手数料は13,000円です。申込は6月に締め切られました。試験はマークシートの五肢択一式で、基礎科目、適性科目(技術士法第4章の義務の遵守に関する適性)、受験者が選ぶ1技術部門の専門科目からなり、合否決定基準は各科目とも50%以上の得点です。
合格後の登録と義務
技術士法では、第二次試験に合格して技術士となる資格を得た人が技術士になるには、登録を受ける必要があります。登録後は信用失墜行為の禁止や秘密保持などの義務を負い、第47条の2で、知識と技能の水準を高めて資質の向上に努める責務が定められています。
当サイトの提案:航空・宇宙部門を目指す方は、まず自分の経験年数が上の表のどの経路で何年に当たるかを数え、大学院在学期間の短縮も含めて受験できる年度を確定してください。次に、選択科目「航空宇宙システム」の範囲(空力・構造・制御・推進、信頼性と安全性、航行援助施設)のうち、業務経歴として説明できる分野を整理しておくと、記述式の答案と口頭試験の準備を同時に進められます。令和9年度の日程と受験手数料は、日本技術士会の発表を確認してから申込準備に入ってください。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。