製造保安責任者と取扱保安責任者の違い
火薬類取締法第30条は、火薬類の製造業者に対し、火薬類製造保安責任者免状を持つ人の中から製造保安責任者を選任し、保安の職務を行わせるよう定めています。火薬庫の所有者や一定量以上の火薬類を消費する者が選任するのは火薬類取扱保安責任者で、こちらは別の免状です。旧記事は取扱保安責任者の試験課目を製造保安責任者の説明に混ぜていたため、この記事では製造保安責任者に絞って説明します。
同法第31条により、製造保安責任者免状は甲種・乙種・丙種の3種類です。甲種と乙種は経済産業大臣が行う試験、丙種は都道府県知事が行う試験に合格した人に交付されます。いずれの試験も、全国火薬類保安協会が指定試験機関として実施しています。
甲種・乙種・丙種で担当できる範囲
| 種類 | 選任資格が得られる場所と範囲 | 試験 |
|---|---|---|
| 甲種 | 火薬・爆薬の製造工場または火工品の製造工場の製造保安責任者、その代理者、副保安責任者 | 大臣試験(東京で年1回) |
| 乙種 | 同じ工場で、製造保安責任者とその代理者は1日に火薬または爆薬1トン未満の場合に限る。副保安責任者 | 大臣試験(東京で年1回) |
| 丙種 | 煙火の製造工場で、製造保安責任者は1日に煙火300kg未満の場合に限る。その代理者、副保安責任者 | 知事試験(47都道府県で年1回) |
試験課目と合格基準
甲種・乙種の試験は2日間で、「火薬類取締に関する法令」「火薬類製造工場保安管理技術」「火薬類製造方法」「火薬類性能試験方法」「火薬類製造工場に必要な機械工学および電気工学大要」「一般教養」の6課目です。1課目90分で、合格基準は各課目60点以上、一般教養は50点以上です。
丙種の試験は午後1時から3時30分までで、法令、信号焰管・信号火せん・煙火の製造工場保安管理技術、同じく製造方法、火薬類性能試験方法、一般教養の5課目です。合格基準は一般教養が50点以上、ほかの4課目が60点以上です。法令は令和8年4月1日時点で施行されている法令から出題されます。
甲種・乙種では学歴による課目免除があります。高等学校以上の学校を卒業した人は一般教養が免除され、工業化学に関する学科を専修して卒業した人は、一般教養と機械工学・電気工学大要が免除されます。火薬学に関する工学博士や、大学で火薬学を専修して卒業した人は、法令と保安管理技術の2課目だけを受験します。免除を受けるには卒業証明書などの証明書類を添付します。
令和8年度の日程と手数料
| 区分 | 試験日 | 願書受付 | 結果発表 | 受験手数料 |
|---|---|---|---|---|
| 甲種・乙種 | 11月4日〜5日(日本教育会館) | 8月17日〜24日(終了) | 12月21日 | 25,900円 |
| 丙種 | 10月25日 | 7月17日〜27日(終了) | 12月8日 | 18,000円 |
甲種・乙種の願書は全国火薬類保安協会が配布・受付し、丙種は受験地の都道府県火薬類保安協会に提出します。受験資格は学歴・経験を問わず、住民票の添付が必要です。知事試験に合格した人の免状交付は、受験した都道府県の火薬担当部署に問い合わせます。
願書の提出書類と免状の交付
甲種・乙種の願書には、受験願書、85円切手を貼った受験票(郵便はがき)と写真を貼った受験票控、出願前3か月以内に交付された住民票(個人番号と本籍の記載がないもの)、試験結果通知用の封筒を添えます。課目免除を申請する人は、免除理由を証明する文書も必要です。受験手数料は指定の用紙で郵便振替により払い込み、受付証明書を願書の裏面に貼ります。願書を受け付けた後は試験の種類を変えられず、手数料も返還されません。
丙種の解答は試験日の翌日以降、結果発表日まで全国火薬類保安協会のホームページに掲載されます。火薬類取締法第31条では、免状の返納を命じられてから1年を経過していない人や、同法などに違反して罰金以上の刑に処せられ、執行を終えてから2年を経過していない人には、免状を交付しないことができると定めています。
来年度に受験する場合の準備
当サイトの提案:まず勤務先の工場が火薬・爆薬、火工品、煙火のどれを製造し、1日の製造量がどの程度かを確認し、必要な種類を甲種・乙種・丙種から決めてください。甲種・乙種を受ける人は、卒業証明書で免除が受けられる課目を早めに確認し、成績証明書の取り寄せを6月中に済ませておくと、8月の短い願書受付期間に間に合わせやすくなります。丙種は受付期間が7月中旬からの11日間なので、受験地の都道府県協会に6月下旬の願書配布開始を問い合わせておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。