建築仕上診断技術者とは
建築仕上診断技術者は、公益社団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)が平成2年度に創設した資格です。きっかけは、平成元年11月に北九州市の高層住宅で起きた外壁タイルの剥落事故(2名死亡・1名重傷)でした。この事故を受けて建設省住宅局の委員会が外壁診断の指針をまとめ、外壁診断技術者の育成も提言しました。BELCAによると、2024年6月末時点で4,376名が登録されています。
BELCAは、この資格を、建築物の仕上げの物理的劣化や社会的劣化を総合的に診断し、建築物の適正な維持保全に役立てる技術者のものと位置づけています。旧記事は実施団体を日本建築仕上学会としていましたが、講習と登録を行っているのはBELCAです。
受講資格
資格を得るには、BELCAの資格取得講習を受け、修了考査で修了が認められたあと、登録を申請します。講習を受けられるのは次のいずれかに当てはまる人です。
| 区分 | 受講資格 |
|---|---|
| (1)資格を前提とする人 | 一級建築士、二級建築士、1級・2級建築施工管理技士(2級は建築または仕上げ)、特定建築物調査員のいずれかを持ち、外壁または防水の施工時の検査や診断の実績が5件以上(技士補は該当しない) |
| (2)学歴を前提とする人 | 建築系学科を卒業し、外壁または防水の施工実務と診断実務、または診断実務の経験が5年以上で、診断実績が5件以上 |
| (3)実務経験を前提とする人 | 外壁または防水の施工実務と診断実務、または診断実務の経験が8年以上で、診断実績が5件以上 |
| (4)その他 | 認定委員会が(1)〜(3)と同等以上と特に認めた人 |
| (5)失効者 | 過去に資格を取得し、更新登録をせず失効した人 |
申込時には、診断実績報告書と実務経験証明書を提出します。区分(1)の人は診断実績報告書の欄だけを記入します。
令和8年度の講習と修了考査
令和8年度から、3日間の会場講習に加えて、講義動画を期間内に視聴するWEB講習が選べるようになりました。どちらの形式でも、修了考査は会場で受けます。講義は資格制度と関係法規、診断業務指針、タイル外壁や防水などの部位別の診断技術、仕上げの耐震診断で構成されています。修了考査は択一式(60分)と記述式(90分)です。
| 地区 | 会場講習 | WEB講習 | 修了考査 | 申込期間 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 9月1日〜3日 | 9月18日〜10月22日 | 10月23日 | 7月1日〜8月18日 |
| 大阪 | 9月15日〜17日 | 9月25日〜10月29日 | 10月30日 | 7月1日〜9月1日 |
| 福岡 | 9月29日〜10月1日 | 10月9日〜11月12日 | 11月13日 | 7月1日〜9月15日 |
講習料は57,200円(税込、テキスト代込み)で、申込の前に振り込みます。申込はすべての地区で締め切られています。修了者は12月末にBELCAのホームページに受講番号で掲示され、自宅にも郵送で通知されます。
令和7年度の講習では、修了考査I(択一式30点満点)が19点以上で修了考査II(記述式)の評価がAまたはB、または考査Iが17〜18点で考査IIがAの人が修了とされ、139名が修了者に認定されました。
登録と更新
修了者が登録を申請すると、BELCAから資格が与えられ、登録証が発行されます。登録料は11,000円(税込)で、登録の有効期限は5年間です。更新するには、毎年度後半に開かれる更新講習を受けて登録を更新します。有効期限が切れてから3年以内であれば、更新と同じ手続きで再登録できます。
当サイトの提案:令和9年度の受講を考えている人は、まず自分がどの受講資格区分に当たるかを確認し、外壁または防水の診断実績が5件あるかを、調査から報告書作成までの記録で数えてください。令和8年度は7月1日に申込が始まり、東京は8月18日に締め切られたので、診断実績報告書と実務経験証明書は6月までに用意しておくと間に合わせやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。