オリエンテーリング・インストラクタの位置づけ
日本オリエンテーリング協会(JOA)の指導者資格には、日本スポーツ協会公認のオリエンテーリングコーチ1・コーチ2と、JOA独自のオリエンテーリング・インストラクタがあります。JOAはインストラクタを、初心者に対する指導を行う資格と説明しています。従来の指導資格だったディレクタ2級・1級は2024年9月で廃止されたため、現在JOAが独自に認定する指導資格はインストラクタです。
JOAの認定資格規程は、インストラクタに求める能力を「オリエンテーリングに関する基礎知識・技能を有し、オリエンテーリングの指導ができること」と定めています。地域での普及活動に協力し、自らも積極的に普及を行うことも責務とされています。
公式のページでは、インストラクタはオリエンテーリングの普及に協力しながら地域で指導と普及振興を図る資格とされています。以前の記事にあった「デモンストレーション審査」や「推薦書」などの記述は、JOAの資料では確認できませんでした。
受講資格と養成講習会
インストラクタになるには、JOAが主催または認定する養成講習会を受講します。認定資格規程第8条によると、受講資格は受講年度の4月1日現在で満18歳以上であり、オリエンテーリングの経験があることです。講習会を開けるのはJOA、JOAの会員である都道府県協会など、JOAが認定した大学や専門学校です。講師は、所定の研修会を受けたコーチ1・コーチ2などに限られます。
JOAの案内では、講習会の時期や場所、参加費は講習会ごとに異なり、おおよそ1泊2日、宿泊費込みで10,000円程度とされています。開催は全国各地で、秋から冬が多いとのことです。2026年10月4日時点でJOAの公認大会・講習会情報に掲載されている今後の講習会は、コーチ1養成講習会やナヴィゲーションスキル講習・検定で、インストラクタ養成講習会の予定は載っていませんでした。都道府県協会が独自に告知している場合もあります。
講習の内容は合計20時間
認定資格規程の別表1は、インストラクタ養成講習会の内容を合計20時間と定めています。
| 項目 | 主な内容 | 時間 |
|---|---|---|
| オリエンテーリングとその基礎理論 | フットオリエンテーリング大会への参加とレポート | 8 |
| オリエンテーリングの特性 | 魅力と特徴、初心者に教える約束事 | 2 |
| 指導のための基礎理論 | 地図読み、初心者に教える地図の知識と技術、ミスの分析 | 3 |
| 指導実習 | コースの技術解説、地図とコンパスの教え方、初心者向けコース設定など | 5 |
| 走力・体力の指導 | 運動強度と心拍数、準備運動、安全管理 | 2 |
最初の8時間分は、大会に出場して書くレポートで履修したことになります。レポートには自分が使ったコース地図と、A4判1枚程度の記録を含めます。記録には、コースをどう走ったか、どの技術を使ったか、失敗の反省などを書きます。
認定・登録の費用と更新
講習会を修了すると修了証明書が交付されます。資格を得るには、修了証明書と認定資格登録申請書に認定料と登録料を添えてJOAへ申請します。申請は修了証明書の交付年度か翌年度までに行う必要があり、期限を過ぎると無効になります。登録が完了すると、JOAから認定証と登録証が届き、登録者名が公示されます。
インストラクタの認定料は5,000円、登録料は5,000円です。認定は4年間有効で、4年ごとに資格更新審査があります。更新審査では、前回の認定から4年間の実績を申請書に記入して提出します。これとは別に、毎年JOAへの登録更新が必要です。毎年12月末から1月初めにJOAニュースとともに案内が届き、2月末までに登録料を納めると新しい登録証が送られます。
登録の際には、居住地、勤務先、通学先、所属クラブのいずれかの所在地にあるJOA会員を所属先として申請します。
受講を考えている人へ
当サイトの提案:まず住んでいる都道府県のオリエンテーリング協会に、今年度のインストラクタ養成講習会の予定を問い合わせてください。JOAの講習会予定表に載っていなくても、都道府県協会が開催を準備している場合があります。講習のうち8時間分は大会参加とレポートで履修するため、講習会より前に出られる大会を探し、使った地図を保管して記録を書いておくと手続きが進めやすくなります。上位の指導を目指す場合は、日本スポーツ協会公認のコーチ1の受講資格も同じく満18歳以上と経験なので、どちらから取るかを比べて決めるとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。