特別管理産業廃棄物管理責任者の役割
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第12条の2第8項は、事業活動に伴って特別管理産業廃棄物を生じる事業場を設置している事業者に対し、事業場ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を置くよう定めています。事業者自身が管理責任者となる事業場はこの限りではありません。同条第9項により、管理責任者は環境省令で定める資格を持つ人でなければなりません。
この資格は試験に合格して得る免許とは性質が異なります。法令が事業者に設置を義務づけ、その人が満たすべき要件を省令で定めている仕組みです。旧記事は講習会の修了で資格が付与されるように説明していましたが、講習修了者を資格要件を満たす人として扱うかどうかは、都道府県・政令市によって異なるとJWセンターが案内しています。
事業場の区分ごとの資格要件
廃棄物処理法施行規則第8条の17は、事業場の区分に応じて資格を定めています。感染性産業廃棄物を生じる事業場では、次のいずれかに当たる人が管理責任者になれます。
- 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師、歯科衛生士
- 2年以上、環境衛生指導員の職にあった人
- 大学、高等専門学校などで医学、薬学、保健学、衛生学、獣医学の課程を修めて卒業した人、またはこれと同等以上の知識があると認められる人
感染性産業廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を生じる事業場では、学歴と廃棄物処理に関する技術上の実務経験の組み合わせで判断します。たとえば大学で衛生工学か化学工学の科目を修めて卒業した人は卒業後2年以上、それ以外の理学、薬学、工学、農学などの課程では3年以上、短期大学や高等専門学校では4年または5年以上、高等学校の土木科や化学科などでは6年以上、理学や工学などの科目では7年以上の実務経験が必要です。学歴を問わない場合は10年以上の実務経験が求められます。環境衛生指導員の経験2年以上や、これらと同等以上の知識があると認められる人も対象です。
JWセンターの講習の概要
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)は、特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会(特責講習)と、医療関係機関等を対象にした講習会(医療特責講習)を開いています。どちらも、自宅や会社で講義動画を視聴してから会場で試験を受けるオンライン形式と、会場で講義を受けてそのまま試験を受ける対面形式があります。申込はWebだけで受け付け、本人確認用の顔写真データが必要です。
| 講習 | オンライン形式 | 対面形式 | 講義視聴時間 |
|---|---|---|---|
| 特責講習 | 14,300円 | 15,400円 | 約5.5時間(廃棄物処理法概論、廃棄物の処理と管理) |
| 医療特責講習 | 14,300円 | 15,400円 | 約5.5時間(廃棄物の関係法規、感染に関する基礎知識、廃棄物の処理と管理) |
受講料は税込です。医療特責講習の案内によると、学歴や実務経験などの受講資格要件はなく、講義と修了試験は日本語だけで行われます。修了試験は全科目を受講した人だけが受けられ、○×方式と四者択一方式で23問を30分で解き、満点の70%以上で合格です。合格者には講習終了の約3週間後に修了証が原則として勤務先へ送られます。会場ごとに定員があり、定員になり次第締め切られます。
講習修了者の扱いの違い
JWセンターの案内では、特責講習の修了者を医療関係機関等以外の管理責任者として認めるなど、修了者の扱いは都道府県・政令市によって異なります。医療特責講習の修了者は、医療関係機関等に限定した事業場の管理責任者として扱われる例が示されています。JWセンターは自治体ごとの扱いをまとめた資料を公開しており、受講前に確認するよう求めています。
選任までの進め方
当サイトの提案:最初に、自社の事業場で生じる特別管理産業廃棄物が感染性産業廃棄物か、それ以外かを整理してください。次に、候補者が医師や看護師などの資格、または学歴と実務経験の組み合わせで規則第8条の17の要件を満たすかを確認します。要件を満たさず講習修了で対応する場合は、事業場を所管する都道府県・政令市が特責講習と医療特責講習のどちらの修了者を認めているかをJWセンターの資料で確かめてから申し込むと、受け直しを避けられます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。