特別支援学校の教員に必要な免許状
教育職員免許法第3条第3項は、特別支援学校の教員について、特別支援学校の教員の免許状のほかに、特別支援学校の各部に相当する学校の教員の免許状を持たなければならないと定めています。たとえば小学部で教えるなら、特別支援学校教諭の免許状と小学校教諭の免許状の両方が原則として必要です。記事タイトルの「特別支援学校教員」は職業名で、資格としては特別支援学校教諭免許状を中心に説明します。
特別支援学校教諭の普通免許状は、特別支援教育領域ごとに授与されます。法律が定める領域は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者(身体虚弱者を含む)に関する教育の5つです。免許状は一つまたは二つ以上の領域について授与されます。
なお、障害の種類に応じた自立教科や自立活動を専ら担当する教員の免許状は、教育職員免許法第4条の2第2項により、領域の免許状とは別に自立教科等について授与されます。この記事では、多くの教員が取得する領域別の特別支援学校教諭免許状を扱います。
普通免許状の区分と取得要件
教育職員免許法の別表第一は、特別支援学校教諭の普通免許状について次のように定めています。どの区分も、幼稚園、小学校、中学校、高等学校のいずれかの教諭の普通免許状を持っていることが前提です。
| 区分 | 基礎資格 | 特別支援教育に関する科目の最低単位数 |
|---|---|---|
| 専修免許状 | 修士の学位と、幼小中高いずれかの普通免許状 | 50単位 |
| 一種免許状 | 学士の学位と、幼小中高いずれかの普通免許状 | 26単位 |
| 二種免許状 | 幼小中高いずれかの普通免許状 | 16単位 |
文部科学省のQ&Aでも、特別支援学校教諭の免許状を取るには、基礎となる幼小中高の免許状を取り、特別支援教育に関する必要単位を修得して卒業し、都道府県教育委員会に授与を申請すると説明しています。取得できる大学は文部科学省のページで公表されています。
現職教員が取得する方法
すでに学校で働いている教員には、在職年数と単位を組み合わせて取る方法があります。教育職員免許法の別表第七では、幼小中高の教諭の普通免許状を持ち、学校の教員として3年以上良好な成績で勤務した人が、大学等で6単位を修得すると特別支援学校教諭の二種免許状を受けられます。二種から一種へは特別支援学校での在職3年と6単位、一種から専修へは在職3年と15単位です。文部科学省のQ&Aも、中学校で3年以上勤務した教員が6単位を修得して特別支援学校の免許状を取る例を示しています。単位は免許法認定講習などで修得できます。
また、教育職員免許法附則第15項により、幼小中高の教諭の免許状を持つ人は、当分の間、特別支援学校の相当する各部の教諭や講師になれます。この経過措置があるため、特別支援学校の免許状を持たずに特別支援学校で勤務している教員もいます。
教員資格認定試験と採用選考
自立活動を担当する教員の免許状を取るための、特別支援学校(自立活動)教員資格認定試験もありました。文部科学省は、令和4〜5年度は一部免除者を対象とした試験だけを行い、令和6年度以降は当面休止すると発表しています。確認日時点でこの試験を新たに受ける道はありません。
公立の特別支援学校の教員になるには、都道府県・指定都市教育委員会の教員採用選考試験に合格します。文部科学省のQ&Aでは、5〜8月に1次・2次試験、9〜10月に合格発表という日程の県市が多いとしています。特別支援学校の免許状の保有を出願条件にするかどうかは志望先の募集要項で確認が必要です。
これから目指す人へ
当サイトの提案:学生の人は、まず小学校や中学校など基礎となる免許状の教職課程と、特別支援学校の教職課程を同じ大学で履修できるかを確かめてください。担当したい障害種が決まっている場合は、その領域の科目を開設している大学を選ぶと進路を絞りやすくなります。現職教員の人は、勤務先の都道府県教育委員会が開く免許法認定講習の日程を確認し、在職3年と6単位で二種免許状を取る計画を立てるとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。