試験の目的と位置づけ
鉄道設計技士試験は、鉄道設計業務を総合的に管理できる技術能力を客観的に証明し、鉄道技術全体の向上を図ることを目的に、平成8年度から毎年1回行われています。実施しているのは公益財団法人鉄道総合技術研究所で、窓口は同研究所の鉄道技術推進センターにある試験事務局です。
この試験は平成12年度に運輸大臣の指定を受け、平成16年度の鉄道事業法施行規則の改正に伴って国土交通大臣の登録試験になりました。研究所は、わが国で唯一の鉄道技術に関する登録試験だと説明しています。合格者には「鉄道設計技士(鉄道土木/鉄道電気/鉄道車両)」の称号が与えられ、鉄道事業法第14条の認定鉄道事業者制度で設計管理や設計確認を担う「設計管理者」に選任されるための要件の一つになります。
受験資格
受験には、受験する試験区分の専門分野で設計に関する業務に従事した期間が必要です。所属法人の保守部門、工事部門、研究部門で設計対象にかかわった業務の経験年数も含められます。
| 最終学歴 | 必要な業務経験 |
|---|---|
| 大学(短期大学を除く)卒業 | 5年以上 |
| 短期大学・高等専門学校卒業 | 7年以上 |
| 高等学校・中等教育学校卒業 | 9年以上 |
| 旧日本国有鉄道中央鉄道学園大学課程卒業 | 6年以上 |
| 学歴を問わない場合 | 12年以上 |
試験科目・配点と合格基準
| 科目 | 内容と形式 | 配点・時間 |
|---|---|---|
| 共通試験 | 鉄道営業法・鉄道事業法等の技術に関する法令と、土木・電気・車両の基礎的知識(マークシート) | 200点・1時間 |
| 専門試験I | 試験区分ごとの専門的な知識(マークシート) | 240点・1時間 |
| 専門試験II | 技術的な判断能力・応用能力を問う記述式と、見識を問う論文式 | 記述60点・論文140点、計3時間 |
共通試験と専門試験Iは、それぞれ満点の50%以上で2科目合計が満点の70%以上を基準に、難易度で補正した点数以上が合格です。専門試験IIは、記述式が満点の25%以上で、記述式と論文式の合計がおよそ60%以上の人が合格です。共通試験・専門試験Iが基準に届かないと専門試験IIは採点されません。両方に合格して初めて試験合格となります。
2026年度から試験方法が変わり、共通試験と専門試験Iは正誤式の問題を減らして総問数がそれぞれ25問と28問になりました。専門試験IIの記述式25%以上という基準も、この改正で加わったものです。
2026年度の日程・費用と科目免除
2026年度の試験は10月25日(日)に東京と大阪で行われます。受験申請はウェブサイトで手続きをしたうえで書類を郵送する方式で、受付期間は6月10日から7月7日まででした。受験票は9月末に発送予定で、10月6日までに届かない場合は試験事務局に問い合わせるよう案内されています。合格発表は2027年1月下旬の予定で、全員に結果がはがきで通知されます。
受験料(消費税込)は、3科目を受ける人が36,300円、科目免除で専門試験IIのみを受ける人が23,100円です。合格後の合格証明書の交付と名簿登録には8,800円がかかります。共通試験・専門試験Iに合格して専門試験IIに不合格だった人は、翌年度から3年間に限り申請で共通試験・専門試験Iが免除されます。
次回受験への備え
当サイトの提案:まず自分の学歴と設計業務の経験年数が受験資格を満たすかを、保守・工事・研究部門での経験も含めて数えてみてください。研究所は2021〜2025年度の試験問題集を公開しているので、2026年度からの問数変更を念頭に置きながら共通試験と専門試験Iの出題範囲を確かめ、専門試験IIは記述式の25%基準を落とさないよう記述の練習を先に進めるのが現実的です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。