森林総合監理士とはどんな資格か
森林総合監理士は、通称フォレスターと呼ばれます。林野庁の説明では、森林・林業に関する専門的で高度な知識と技術、現場経験を持ち、長期的・広域的な視点で地域の森林づくりの全体像を示し、市町村森林整備計画の策定などを技術的に支援し、森林施業プランナーなどに指導・助言を行う人材と位置づけられています。
この資格には単独の試験がありません。農林水産大臣が行う林業普及指導員資格試験には「林業一般」と「地域森林総合監理」の2区分があり、後者に合格した人を林野庁長官が森林総合監理士として登録します。登録と公開の運用は平成26年4月1日付けの林野庁長官通知で定められ、平成26年度から登録・公開が行われています。届出をすると、氏名、連絡先、活動可能地域、支援分野、活動実績のうち本人が了承した事項が公開されます。
林野庁が示す主な業務
林野庁のページは、主な業務として三つを挙げています。一つ目は、自然条件や社会経済条件を踏まえて地域の森林整備や林業・木材産業の進め方の構想(マスタープラン)を描くことです。二つ目は、森林所有者、森林組合、素材生産業者、木材加工業者、行政関係者、住民の間で構想について合意を形成することです。三つ目は、制度や予算を活用して構想の実現に向けた取組を進めることです。
受験資格と試験の内容
地域森林総合監理区分の受験には、林業一般区分より長い職務経験が求められます。大学院修了5年、指定教育機関の大学卒7年、短大卒9年、高校卒業または高卒認定合格11年以上で、そのうち国・地方公共団体・森林組合などでの普及指導または森林の整備・保全の監理の経験が5年以上必要です。
令和8年度の受験案内では、1日目に林業一般区分と共通の一般基礎と専門(択一式・小論文式)を受け、2日目に総合専門として、森林の総合的な知識を問う適性の択一式(30分)、森林づくりの構想を示す能力を問う課題解決の択一式(80分)と記述式(90分)を受けます。筆記合格者だけが口述試験に進みます。受験手数料はかかりません。
令和8年度の日程と過去の実績
| 項目 | 令和8年度 |
|---|---|
| 願書受付 | 4月6日〜5月8日(終了) |
| 筆記試験 | 8月4日・5日 |
| 口述試験 | 10月26日〜11月27日の指定日(北海道、岩手、東京、愛知、岡山、福岡、熊本) |
| 合格発表 | 口述試験の実施後1か月以内 |
林野庁の集計では、地域森林総合監理区分の受験申請者と合格者は令和6年度が354人と228人、令和7年度が243人と138人でした。
区分合格者数の推移
| 年度 | 受験申請者数 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 令和3年度 | 414人 | 53人 |
| 令和4年度 | 404人 | 49人 |
| 令和5年度 | 369人 | 112人 |
| 令和6年度 | 354人 | 228人 |
| 令和7年度 | 243人 | 138人 |
区分が設けられた平成25年度は受験申請者769人、合格者264人でした。年度によって合格者数の幅が大きいため、過去の数字だけで難しさを判断しないほうが無難です。地域森林総合監理区分の受験者は林業一般区分との併願を希望できるので、林業普及指導員としての任用資格もあわせて目指す都道府県職員は、願書提出時に併願の希望を忘れずに書いておく必要があります。
登録後の研修と情報提供
林野庁は登録者向けに継続教育も行っています。毎年度改訂する森林総合監理士基本テキストの公表、勉強会、活動事例集の作成のほか、メールアドレスを登録した人へ毎月の情報提供をしています。令和8年度は、実務経験がおおむね3年以上の森林総合監理士や林業普及指導員などを対象に、岩手県・岐阜県・高知県で4日間の現地実習・演習による研修を10〜11月頃に行う予定と案内されています。
当サイトの提案:受験を考える人は、まず普及指導や森林の整備・保全の監理に当たる経験が5年以上あるかを確認してください。次に、林野庁が公開している基本テキストと地域森林総合監理区分の過去問題を使い、記述式の課題解決問題に時間をかけて準備すると効率的です。合格後は登録内容の公開範囲を自分で選べるので、市町村支援に携わりたい人は活動可能地域と支援分野を具体的に届け出ておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。