建築物環境衛生管理技術者の役割
建築物環境衛生管理技術者は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)第6条にもとづく資格者です。一定規模以上の建築物(特定建築物)の所有者等は、建物の維持管理が環境衛生上適正に行われるよう監督させるため、免状を持つ人の中から建築物環境衛生管理技術者を選任しなければなりません。
選任された技術者は、維持管理が建築物環境衛生管理基準に沿って行われるよう、必要に応じて所有者や占有者など維持管理の権原を持つ人に意見を述べることができます。法律は、意見を受けた側にその意見を尊重する義務を課しています。空調、給排水、清掃、ねずみや昆虫の防除といった管理全体を見渡す立場です。
免状を得る二つの経路
法第7条により、免状は厚生労働大臣が交付します。交付の対象になるのは、国家試験に合格した人と、学歴と実務経験の要件を満たしたうえで厚生労働大臣の登録を受けた機関の講習会を修了した人です。
試験の経路では、実務経験2年以上で受験でき、合格後に厚生労働省へ免状を申請します。講習の経路では、日本建築衛生管理教育センターの講習会が合計101時間(建築物衛生行政概論10時間、空気環境の調整26時間、給水及び排水の管理20時間など7科目)で、受講料は129,000円(非課税、教材費込み)です。講習の受講資格は省令で定める学歴と実務経験で、試験の受験資格とは条件が異なります。
第56回(令和8年度)試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年(令和8年)10月4日(日) |
| 試験地 | 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、福岡県 |
| 試験科目 | 建築物衛生行政概論、建築物の構造概論、建築物の環境衛生、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ・昆虫等の防除 |
| 受験手数料 | 17,900円(非課税) |
| 願書配布・申込期間 | 2026年5月7日〜6月15日(終了) |
| 合格発表 | 2026年11月10日(火)午前10時、センターでの掲示とホームページ掲載 |
受験の手引はセンターのホームページからダウンロードする方法などで入手し、窓口での配布はありません。令和8年度分の申込は締め切られているので、これから受験を考える人は令和9年度の発表を待つことになります。センターは令和7年度、令和6年度、令和5年度の試験問題と合格基準・正答一覧を公開しています。
受験資格になる実務の範囲
受験資格は、決められた用途の建築物の当該用途部分で、環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事したことです。対象の用途は、興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む)、旅館・ホテルと、これらに類する用途です。センターは、共同住宅、保養所、寄宿舎、保育所、老人ホーム、病院なども該当する用途として挙げています。
一方、倉庫、駐車場、工場(浄水場、下水処理場、清掃工場を含む)、駅舎、寺院、教会、発電所などは該当しない用途とされています。実務として認められるのは、空気調和設備管理、給水・給湯設備管理、排水設備管理、ボイラ設備管理、電気設備管理、清掃及び廃棄物処理、ねずみ・昆虫等の防除です。実務期間は実務従事証明書の証明日時点で2年以上必要で、証明日より後の期間は含められません。
受験までの準備の進め方
当サイトの提案:令和9年度の受験を考えている人は、まず自分の勤務先の建物が受験資格の対象用途に当たるかを、センターの用途一覧で確認してください。次に、担当してきた業務が7種類の実務のどれに当たるかを整理し、勤務先に実務従事証明書を書いてもらえるかを相談します。令和8年度の願書配布は5月7日に始まったので、次回も同じ時期になる可能性を考え、春までにセンターが公開している過去3年分の試験問題で7科目の出題範囲を確かめておくと準備を進めやすくなります。学歴と実務が講習の受講資格に当たる人は、受講料と101時間の日程を見比べて、試験と講習のどちらで免状を得るかを決めてください。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。