応急危険度判定と判定士の役割
全国被災建築物応急危険度判定協議会の説明によると、応急危険度判定は、大地震で被災した建築物を調べ、その後の余震などによる倒壊の危険性や、外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定して、人命にかかわる二次的災害を防ぐことを目的としています。判定結果は建築物の見やすい場所に表示され、居住者だけでなく付近を通る歩行者にも危険性を知らせます。
判定は市町村が地震後の応急対策の一つとして行い、都道府県が被災市町村の判定活動を支援します。大規模災害では行政職員だけでは対応が難しいため、ボランティアとして協力する民間の建築士などに講習を受けてもらい、都道府県が応急危険度判定士として養成・登録しています。独立行政法人都市再生機構と一般社団法人マンション管理業協会も判定士を養成・登録しています。2026年3月末現在の全国の判定士数は104,705名です。
この判定は、罹災証明のための被害調査や、建築物を恒久的に使えるかどうかの判定とは目的が違います。地震直後の短期間に限られた調査項目で判定するため、後で時間をかけて調べると結果が変わる場合があります。
判定活動の流れ
同協議会のQ&Aによると、判定士は被災地で地元の市区町村長または都道府県知事の要請を受けて判定を行います。判定作業は2人1組で、調査表など定められた基準で判定し、危険と思われる建築物には立ち入らずに調べます。結果は三種類の判定ステッカーのいずれかを出入口などに表示し、対処方法や問い合わせ先も示します。活動中は登録証を携帯し、「応急危険度判定士」と明示した腕章とヘルメットを着用します。
認定・登録の要件は都道府県ごと
同協議会は、判定士の認定(登録)には都道府県が定める必要資格を持つ人が、各都道府県の講習を受講する必要があると案内しています。認定後の更新や返納も各都道府県が扱います。旧記事は建築士または施工管理技士を一律の要件としていましたが、対象資格や在住・在勤の条件は都道府県によって異なります。2026年度の例を二つ挙げます。
| 項目 | 静岡県 | 埼玉県 |
|---|---|---|
| 受講対象 | 建築士(1級、2級、木造)、1級建築施工管理技士、所属長の推薦を受けた行政職員 | 一級・二級・木造建築士、建築基準適合判定資格者、特定建築物調査員資格者、一級建築施工管理技士で、県内在住または在勤の人 |
| 2026年度の新規講習 | 11月17日(静岡市の会場)、11月19日・24日(Zoom) | 8月18日(終了)、10月7日、2027年1月21日、2月25日 |
| 受講料 | 無料 | 無料 |
| 申込先 | 公益社団法人静岡県建築士会 | 一般社団法人埼玉建築士会 |
静岡県は講習を受けた人が認定申請書と建築士免許証などの写しを提出して認定を受け、更新は継続意思確認のはがきの返送で行います。埼玉県は講習修了者に県の判定士として登録してもらい、判定活動中のけがなどには同協議会の補償制度が適用されると案内しています。
取得を考える人へ
応急危険度判定士は、試験に合格して得る資格とは違い、都道府県の講習を受けて登録するボランティアの制度です。登録すると、地震の後に判定活動への協力を求められることがあります。
当サイトの提案:まず、住んでいる都道府県または勤務先のある都道府県の建築担当課のページで、受講対象となる資格と在住・在勤の条件を確認してください。次に、講習の申込先(静岡県と埼玉県では建築士会)と開催日を確かめ、建築士免許証などの写しを準備します。登録後は、更新の手続き方法と、地震発生時に派遣要請の連絡がどこから来るかを手元に控えておくと、実際の活動にすぐ対応できます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。